売却後の生活まで相談に応じる
任意売却をしようとする債務者にとって、その後の生活がどうなるのかについての不安が大きいことは想像に難くありません。任意売却案件を獲得した不動産会社がこのような生活面での不安を解決する提案ができるのであれば、信頼感をもって手続きを進めることができるはずです。
実際のところ、任意売却をしたからといって滞納していた住宅ローンの残債がすべて解消されることはほとんどなく、売却したマイホームを追い出された上で、引き続き数年がかりで残債を返済しなければならないことが多いといえます。
この場合に不動産会社ができることとしては、たとえばリースバック方式を採用することで売却後も同じ物件に住み続けられるようにすることや、返済期間の延長や金利負担分の帳消しによる債務の減額など、売り手にとって有利な条件を債権者との交渉で引き出すことなどが挙げられます。
もちろん法律上の交渉は弁護士のような専門家が担うことになりますので、こうした専門家とのパイプが日頃から確立されていることが重要です。
司法書士などの事務作業の効率化を実現する任意売却のためのツール
司法書士などの専門家が任意売却に係る法律業務の一つに、担保付不動産の売却生産実務と呼ぶものがあります。これらの仕事は、任意売却の手続きの中での担保権の抹消交渉などに係る法律的な要素を持つ事務であり、最近では専門的なソフトウェアでもあるツールが登場していて事務作業の効率化を図れるようになっています。
関係当事者をはじめ、担保不動産や債権内容の記録などを行い、これにより予想表でもある任意売却配分表や競売配当表、各比較表や控除費用の一覧表などの作成を支援してくれます。
さらに、業務依頼書・受任通知書・任意売却申出書・中間報告書・業務完了通知書など、司法書士が本来手作業などで行っていた作業の自動化、財産管理処分業務の必須になる適確な諸資料作成を可能にします。
また、このようなツールには債権者などの利害関係人との交渉記録を日報の形で保存できるため、多数の交渉進捗状況などの把握にも役立ちます。